何も知らない

東大生が何かの感想を書くブログ

小説

ヘッセ『車輪の下で』を読んで自分を嘆く

(ネタバレあり) 個人的に好きな光文社古典新訳文庫から出ているものを昨年読んだ。ずっと前に下書きに入れていたこの文章の存在を、韓国映画『はちどり』と漫画『BEASTARS』の鑑賞のあとに思い出し、このタイミングで手直しして公開することにした。めちゃ…

重松清『疾走』はなぜ読者に生への渇望をもたらしてくれるのか

(ネタバレあり) 私は重松清の『疾走』という作品が、小説の中で一番好きだ。小学生の頃から、自分の教室だけでなく空き教室の学級文庫まで漁るほどの小説好きで、自分で小説家を目指したこともあるくらいだけれど、これほど凶暴な作品には出会ったことがな…